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記録体の生成と回収に関する研究
科学技術の発展、その技術の武力転用により、結果的に我々人類は不死の獲得に至った。その代償として「死」を喪失した。不死は停滞、進化の停止をもたらした。この状況を打破し、不死を克服するため、我々アルカナ宇宙開発機構は、新たに「細胞宇宙部門」を設立し、細胞宇宙内に発生すると予測される記録体の回収に努める。
下記は、細胞宇宙部門が開発した細胞「モルスフィア(morsphere)」を用いた記録体の回収プロセス、および記録体拾遺者(以下、拾遺者とする)についての記録である。
1. 記録体の性質
記録体とは、新人類の死によって発生する情報物質である。その構成は現存する物理法則では説明できず、発生すると特殊な周波数が測定される。この記録体は死者の記憶や経験、感情の波などの残滓を含むと推測される。
2. 記録体の回収プロセス
特定の条件をクリアした対象者数名に「モルスフィア」を投与、体内に宇宙を模した細胞組織を作り、新たな生命体を誕生させる。現状、この工程をクリアした拾遺者は七名中二名「パンドラ」「ノイノ」のみである。
記録体は肉眼では観測できないが、拾遺者を介することにより、その存在を捉えることが可能となった。これにより、パンドラの神経網と連携しながら記録体を回収することが可能となる。
3. 拾遺者の身体的影響
パンドラは元来、好奇心旺盛で社交的な性格であったが、モルスフィア投与後、徐々に感情の波が鈍くなる症状がみられた。ノイノも同様の症状がみられる。これはモルスフィアの副作用であり、回収に影響を及ぼすことはない。現状は培養槽に保管し、運用中である。
【補足:パンドラの管理者は、この精神的影響に対し難色を示している様子】
4.新人類について
新人類は細胞宇宙内における、あらたな生命体である。
旧人類と似て非なる存在であり、我々がよく知るヒト型の生命体から、哺乳類や水生生物などの特徴を持つ
『デミ・ヒューマン』型の生命体まで、外見・性質は多岐にわたる。新人類はこれまで細胞宇宙内の地球型惑星PANDORA/Ⅳでのみ観測され、他5つの惑星では観測されていない。
【補足:管理者の報告によると、近年新人類は科学技術を発展させ、宇宙開発に大きな進歩が認められた。将来的に、新人類が他の惑星での活動も可能になる見込みである】
5. パンドラの新人類へのイレギュラーな干渉とその影響
新人類は共通祖先の時点で、記録体を認識できないよう、管理者によって認識阻害を施されている。
しかし、パンドラがなんらかのアクションを起こしたことによってこの認識阻害にエラーが発生し、いくつかの異変が新人類側で観測された。その影響か、記録体を認識する新人類が確認されている。
異変の一例
・過去に旧人類側で起きた「漂白胞子」と酷似した事例による、人類の大量死
・PANDORA/Ⅳの海浜ポイントにて、異形生命体が打ち上げられる
パンドラがアクションを起こした事由は不明であり、管理者に対して早期解決を求めている。
5. 今後の課題
記録体の回収を継続することで、我々は「死」を再び取り戻すことができると期待される。
穏やかな眠りにつく未来へ。
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